堺市の障害者歯科診療所で、17歳の男の子が亡くなる事故があったそうです。
2023/12/19堺市の障害者歯科診療所で、17歳の男の子が亡くなる事故があったそうです。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231216-OYT1T50094/
ご家族の無念さは余りあるものでしょう。心が痛みます。
原因とされるのが換気用チューブの食道誤挿管だったと報道されており、だとすれば医療側のきわめて基本的なミスが原因です。手術時間は1.5時間程度とのことですが、これほど長い時間低酸素状態が続いていることに誰も気づかなかったことに、部外者ながら強い違和感を憶えます。
通常、全身麻酔中には「呼吸」と「循環」のモニタリングが必須です。とくに呼吸のモニタリングは、最低限「酸素がちゃんと取り込めていて、二酸化炭素がちゃんと排出されているか」の二点を監視しなければなりません。報道を見る限り、この患者さんの場合最低限のモニタリングをされていなかったのでは?という思いがします。あるいは、麻酔科医が不在の状態で、数値を評価できるスタッフがいなかったのか?など、多くの疑問が湧きあがります。チームの訓練がしっかりなされていれば、食道への誤挿管は瞬間的に気づいて再挿管すれば良いだけのエラーです。
このような事故が二度と起きないように願うばかりです。私たちも毎日全身麻酔を行っていますから、あらためて基本を大切にして行きたいと思います。