高性能麻酔ワークステーションを導入しました
2021/05/29高性能麻酔ワークステーションを導入しました
当クリニックでは毎日のように、高齢動物の全身麻酔・手術を行っています。
そのため、もともと過剰とも言えるほどの麻酔設備を有していますが、メイン麻酔器(GEオメダ エスティバ5)が導入後10年を経過したため更新となりました。
今回導入したのは、GEヘルスケアのエイシスCS2型で、麻酔器という呼称から「麻酔ワークステーション」という名称をいただくほどの”超”高性能麻酔器です。
麻酔を維持する際には、コントロールできる項目が多ければ多いほど安全で身体に優しい麻酔が可能になりますが、一般的な動物用麻酔器と呼ばれるものでは酸素流量・吸気圧・吸入麻酔薬混入量くらいしかコントロールできないことが多く、超小型動物や呼吸器に異常のある動物では、安全性という視点では疑問符がつきます。
エイシスでは、世界の麻酔器で唯一「End-Tidal O2濃度」、「End-Tidal 吸入麻酔薬濃度」を自動調節する機能があり、この部分は人力で細かな調整をせずに安心して機械に任せられるようになります。
超小型動物で用いる低流量麻酔での呼吸安定性が増し、その結果、麻酔担当者はより多くのことに気を配ることが可能になります。
実際に使用してみると、肺コンプライアンスの自動測定や、硬くなった肺のリクルートメント機能など、今まではわからなかった状況の把握や、老齢動物の肺機能を改善させる機能が増えていて、「かゆいところに手が届く」と言った印象があります。
動物病院としては日本では三台目の導入になります。
自慢になりましたが、より安全で優しい麻酔管理ができるよう、さらに努めたいと思います。